髪の毛が・・・「紅葉と出家」

シェアする

親子で湘南その1に記事をいただいた浅野さんが、記事原稿と共に、自分の時代と息子さんの時代で「大きく変わっていたところ」を紹介してくれました。その中からまずはこの話題ー生徒の髪が染まっているー。

  

湘南高校PTA広報誌「湘南」より編集させていただきました。

はい、これ、ある年の湘南高校体育祭の光景です。

いつの頃からこうなったのかはわかりませんが、2005年10月発行の湘高新聞に次のような記事がありました。

 抜粋で紹介します。

体育祭が終わってはや一か月。湘南高校はほとんど落ち着きを取り戻しつつある。夏の間は校内いたるところで笑い声。朝から晩まで音楽が。周辺住民の方々にとっては騒がしくて仕方なかったはず。(中略)

聴覚だけで判断するなら、ほとんど「進学校ですよ」と言わんばかりの状況になってきている。その切り替えの早さは驚くべきだが、それでも所詮は電源のオンオフで切り替わってしまう音量の変化。別に湘南生でなくともその程度の切り替えはできるだろう。

今回スポットを当てたいのは視覚面。体育祭期間中はそれはもう、学生かさえも疑われるような状況だったにも関わらず、体育祭終了後からはほんの一週間足らず。それこそ目を疑うような速さで湘南生は色を失った。早い、速い、この髪の毛の切り替え。これは間違いなく他校には真似できない。一万円、二万円を費やした髪を一週間も使わずにそり落とす。校則に「黒髪」と明記されているわけでもないのに、この思い切り、この潔さ。この色の変化にこそ、湘南生の本質が現れているようだ。(中略)

気持ちの高まりを示すかのように体育祭に向けて湘南生の紅葉率は徐々に上昇。そして祭り盛りを過ぎれば今度は散る桜のように劇的な終焉を見せる。同時に激増する出家率(坊主頭の割合のこと)もまた、例年通り。(中略) なかなかタイミングが掴めず、結局、三日足らずで自慢の髪に八百円の黒髪戻しを振りかけることになった人も少なくないはずだ。(中略)

中学校時代から髪を染めていた人間は皆無だろうし、一生染めることはない、と思っていた人がほとんどのはずだ。けれど、湘南での時間を過ごす間に、先輩方の姿を見て、湘南での自由に触れて、考え方が変わっていく。だからこそ、三年生の変化が最も顕著なのだ。(中略)

髪を染めるということは湘南においては伝統的な気合の示し方の一つなようである。まあ、先生方は悪しき伝統というが、校則は「高校生らしい頭髪」である。体育祭に燃える高校生らしい髪型。それは個人の価値観によって決められるものだとは思うが、写真を見ながら「あの頃は馬鹿だったな……」と楽しげに物思いに耽るには馬鹿をやるしかない、ということだけは伝えたい。

美容院の人だって「こんなことできるのは高校生の間だけだからねえ」としみじみしながら青だの緑だのを遊びごごろたっぷりに注いでくれるのである。ただ、「七年間は元の髪質に戻らない」「あんまり髪をいじめない方がいい」というアドバイスもくれる。髪を染めるにあたって最も大事なことはけじめと毛根であることを忘れてはならない。それが正しく楽しいヘアライフの在り方なのである。

新聞部の調査によると、この年の三年生の「紅葉率」は、なんと75%!!出家数は40名!

最後にお願いが。「私が最初だと思う」「この年から始まったように思う」等、湘南生9月の紅葉に関する情報を送って下さい。追跡調査をしたいと思います。

toukou@mail.shonan100.jp